第3章 思わぬ救出と出会い
「それにしてもこんな人気のない道を一人で通るのは感心しないな。最近通り魔が出るから注意するようにって学校の先生に言われなかったか?」
『………(今の今まですっかり忘れてた)…す、すみません…』
「(忘れてたって顔だな)…はぁ、まったく。たまたま俺が通りかかったから良かったもの…。次から気をつけるように」
このイケメン意外とネチっこいな…なんて心の中で思っていたらすげえ笑顔でこっちを見てきたものだから心読まれたのではと疑ってしまった。
とまあ初対面のイケメンから警察が来るまでお説教をされるという状況に正直疲れてしまい、漸く到着した警察へ通り魔を引き渡した頃には疲労困憊だったのは言うまでもない。
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「それじゃ俺はこれで」
警察からどういった状況で今に至るのかなどの事情聴取を受けなければならないので車に乗るよう促されるも、公園を去ろうとする彼に少し待っててほしいと警察に告げて足早に後を追いかける。
『あのッ!助けてくれてありがとうございました!…まだちゃんとお礼、言ってなかったんで…』
「?ああ、どういたしまして。何度も言うようだが、次からは気をつけるよう「降谷さん!」…風見…車で待ってるように言ったはずだ」
「す、すみませんッ。先ほどこちらの方にパトカーが向かうのが見えたので何かあったのではと
…」
「問題ない。…君も早く行ったほうがいいんじゃないか?」
タイミングが掴めず言えなかったお礼をしているとこちらに向かってくる眼鏡の男にイケメンの知り合いかと思いながら二人の様子を少し間眺め、そんな俺にチラリと視線を向けて言われた言葉に警察を待たせていたことにハッとして再度お礼を口にしてからその場を離れた。
「(あの時の彼は通り魔を撃退しようとしていた)……ふっ、助ける必要はなかったかもしれないな。行くぞ」
「??え、あ…はいッ!」