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【名探偵コナン】もう一人の幼馴染【BL】

第2章 幼馴染


「ほんとあの二人息ぴったりというか、阿吽の呼吸ってまさにアイツ等のことよね」


走り高跳びは一人ずつしか飛べないので順番待ちしている女子達は男子のサッカーの試合を観戦しており、私や園子も一緒にグランドを走る男子達の様子を眺めていると見事にゴールを決めた悠と上手くアシストした新一のコンビプレイを目の当たりにした女子達は大盛り上がりだ。
そんな光景を見ていた園子からの言葉にそうだねと笑みを浮かべて頷く。


「うん。昔から悠と新一って言葉にしなくても通じ合ってるところあるなって」



「たしかに!まったく…熟年夫婦かっての!」



園子の言うことはもっともだなと思わず二人で笑いを溢した。


「でもさ…本当にもう好きじゃないわけ?蘭にとっては初恋でしょ」


ふいに問いかけてきた園子に一度視線を向けてから再び大盛り上がりの男子へと戻し、今度は新一のアシストを上手くこなしている兄の姿に自然と表情が穏やかになるのを感じる。


「そうだね。私にとって新一は…初恋だった。でも今は好きの意味が変わったのも本当」



「友情の好きってこと?」



「んー…友情と家族愛の間みたいなものかな。友達だけど、でも家族みたいに大事っていうか…」



「なるほどね。なんとなくだけど分かる気がする」



「もちろん園子は大事な親友で、家族みたいに大事な人だからね!」



「もーッ!私もよ!!大好きなんだからッ!」


お互いに大事な人だと再確認してぎゅっと抱きしめ合う私と園子に周囲の生暖かい視線が送られ照れ笑いしつつ昔を思い出す。
あの頃は本当に新一が好きだった。頭もよくてカッコいい、そんな彼に恋心を抱かないというのは無理だと思う。けれど彼が恋したのは私でも他の誰かでもなく私の半身、双子の兄の悠。それを知った時は男同士でおかしいだとかショック…そういった感情は不思議と湧いてこず妙に納得していた自分自身に驚いたことを今でも覚えてる。


「(今は本当にあの二人がくっ付いてくれたらって心から思ってるんだよ。私の大事な兄と…大切な家族で幼馴染…)…さ、そろそろ私達の番だから行こう園子!」



心の中でいつか大切な二人が笑顔で幸せに過ごす未来を願いながら未だ男子の様子を眺めている親友の名を呼んで走り幅跳びをするため元の場所へと戻ることにした。
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