第2章 幼馴染
「おーい、男子集合しろー!」
授業開始のチャイムが鳴ると体育の教師から集合がかかり蘭達と別れグランド中央へと移動し、前回に引き続いてサッカーなので諸注意だけ話して後は任せたと言う教師にそれでいいのかと思ったがせっかく自由にサッカーが出来るのだから良しとしよう。
「それじゃ、AチームとBチームで別れて試合やるか」
「「「おーーーうッ!!/……おー…」」」
新一の言葉にBチームはいやに元気だがAチームの覇気の無さといったら。
まぁこのメンバーが相手では気の毒としかいいようがないかと既に準備万端といったBチームへ視線を向け、新一含めてサッカー部が数名に…ま、それなりに何度かサッカー部のピンチヒッターをこなしていたので俺もそこそこ経験はあるので今回の勝利は諦めてもらう。
ピーーーッ!
ホイッスルの音が響くと同時にボールを蹴って走り始める新一に合わせて周囲も動き出し、少しの間全員の動きを見てから俺も走り始める。
『新一ッ!!』
「!!おう、任せたッ!」
さすがサッカー部なだけあり上手いドリブルで次々ボールを奪おうとする相手チームをかわしていく幼馴染。そんな新一の後を追いかけながら隙間を見つけて合図を送ればピンポイントに足元へと渡されるボールに口端を上げ、そのままゴールキーパーの動きを見極めボールをゴールネットに叩き込む。
ピーーーッ!
『…ふー…っ、ナイスパス…新一!』
「ナイスシュート!さすがだな!」
ゴールを見事に決めると沸き上がる歓声に心地良さを感じながら近づいてきた新一とハイタッチを交わし、いつの間に集まっていたのか女子の姿を捉えると同時に蘭と園子の姿も見えた。