• テキストサイズ

【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第23章 17歳


「そう… ですか…。大変ですね…」

いつもあんな風に告白されているというリヴァイ兵長に、なんて返せばいいのだろう。

“良かったですね” も、“すごいですね” も違う気がする。

なぜならば壁外調査の前夜の図書室でこう言っていた。

「……厄介ごとに巻きこまれないように人目を避けている」

告白されることは兵長にとって “厄介ごと”。

そう思えば “大変ですね” という言葉が自然に口をついて出た。

「慣れてはいるが…。応える気はねぇから…」

そこでリヴァイは言葉を切る。

……相手の気持ちに応える気はないから、なんだろう?

厄介だ? 面倒だ?

マヤはリヴァイの気持ちを推し量る。

いや違うわ。厄介なのも面倒なのもきっと、相手を傷つけないように断ることが難しい… ってことじゃないかしら。

兵長は優しいから。

きっとそうよ、そうに違いない。

だとしたら、傷つけずに断って、早く話を終わらせたいだろうに。

私なんかが出てきて、なんだか話をこじらせている。

……すごく兵長に迷惑をかけているのでは…?

「私のせいで… ごめんなさい」

「……あ?」

リヴァイの怪訝そうな声に、またしてもマヤはしまったと思う。

……私のせいで… って何?

おこがましいにもほどがあるわ。どうしてうまく言えないのかな…。

そんなに上手に話せる方じゃないけれど、いつもはもっとマシなはず。

きっと今は、兵長の腕の中にいるから…。

いやいやいや、駄目よ。

そんな言い訳していないで、ちゃんとして私!

「私が執務を手伝っているから、一緒に食堂に行っているから…。責められてましたよね…」

「あぁ…」

やっと合点がいった表情を、リヴァイは見せる。

“別にお前のせいじゃねぇ、気にするな” と言いかけたリヴァイだったが、マヤが発した次の言葉に顔がこわばった。

「ほんと、すごい誤解ですよね…。私は兵長とは、全然なんの関係もないのに」


/ 1873ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp