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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第16章 前夜は月夜の図書室で


「ケイジがいつもおとり役をやってるんだ。だからマヤはケイジの補佐という位置づけで頼むよ!」

ぽんと肩を叩かれ、マヤはうなずいた。

「わかりました。頑張ります!」

今度こそ自分の役目も理解し、マヤの “頑張ります” にも力が入る。

「期待してるよ! 一緒に巨人を捕まえよう!」

「はい!」

とマヤは返事をして、目の前の捕獲網に感嘆のまなざしを向けた。

「この捕獲網、よくできてますね。ワイヤーの射出装置を応用してるなんて…」

マヤのその賞賛に、ハンジは小躍りする。

「そう? そうだろ!? 最初は猟師が使ってる普通の投げ網だったんだよ。でもなかなか上手く投げられなくてね…」

「ほら、俺ら猟師じゃないだろ?」

モブリットがマヤに笑いかける。

「そう! 我々は兵士であって猟師ではない! それに獲物は巨人なんだ。いくら小さいのを選んでるといっても山のケモノや鳥とは訳が違う。そこで色々考えてね、ふっとある日に立体機動装置を使えないかと思って技術班の友人に相談してみたんだ。試行錯誤を重ねて、これが誕生したんだ」

愛おしそうに捕獲網に頬ずりするハンジを見上げながら、マヤは思わずつぶやいた。

「ハンジさんのそういうとこ、好きだなぁ…」

「え! 何なに、好き?」

「はい。ハンジさんの一生懸命に突き進んで成し遂げちゃうところ、尊敬します」

「え! そう? マヤにそんなこと言われたらすっごく嬉しいよ。大体みんな言うんだよ、熱くなりすぎとか暴走しすぎとかやりすぎとか制御不能とか奇行種とか…」

最後の方は小声でぶつぶつ言いながらうつむいていて、よく聞き取れない。

だが次にガバッと顔を上げたときにはその瞳は、爛々と輝いていた。


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