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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第26章 翡翠の誘惑


「……ビアンカさん…。綺麗な名前ですね」

淡紅色の桔梗の前で、紅色に頬を染めたラドクリフ分隊長を見て、マヤは思う。

……名前だけでなく、きっと綺麗な人なんだろうな。

「ありがとう」

ますます顔を赤くして、ラドクリフは小声で礼を述べたきり黙ってしまう。

話がつづかなくなってしまい、マヤは一瞬どうしようかと思ったが、すぐに良い考えが浮かんだ。

……そうだ!

分隊長の得意な花言葉を訊いてみよう。

目の前には桔梗の花。

……ちょうど誕生日にリヴァイ兵長からキキョウのティーカップをもらったわ。

キキョウには花言葉はあるのかしら?

……あるなら、どんな意味の花言葉かしら?

「キキョウにも花言葉はありますか?」

効果てきめんだった。

ラドクリフは、そのまん丸な顔をぱっと上げた。明るい灰色の瞳が生き生きと輝いている。

「もちろんだ。キキョウの花言葉はとっておきだから、よく覚えておけよ?」

「はい」

「いいか? キキョウの花言葉は “永遠の愛” だ」

「……永遠の愛…」

「ロマンチックだろ? 俺の故郷では好きな女に贈るのは薔薇かキキョウが人気なんだぜ?」

今度はラドクリフに代わって、マヤが真っ赤になる番だ。

……キキョウの花言葉は “永遠の愛” …?

どうしよう、あのティーカップにそんな意味があったなんて!

いや、でも待って。

私だって今、花言葉を知ったくらいだし…。リヴァイ兵長があのとき意味をわかってプレゼントしてくれたとは思えないわ。

単に道端で咲いているのを見かけて、祖母の思い出の話をして、そしてリックさんのお店にティーカップがあったから。

それだけのことで。

別に深い意味なんかないはず。

……ないはずなんだけど、それでも…!

それでも嬉しい。どうしようもなく恥ずかしいような。どうしたらいいかわからなくなるくらいに。

今ここが、あの丘の上なら。まわりに誰もいなかったら。

思いきり、あぁぁぁぁぁ!と叫んでいたかもしれない。

リヴァイにもらった桔梗のティーカップを頭に思い描いて、顔を急激に紅くしたマヤを見て、ラドクリフは不思議そうに訊いてくる。

「なんだ? マヤ、顔が真っ赤だぞ?」


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