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stride‼︎

第7章 贈り物


8時前、仕事を終えて帰ると、日々人がもう帰っていた。
リビングにはカレーのすごくいい匂いが漂っている。
「ただいまー!めっちゃいい匂い〜!お腹すいたぁ。」
「おっおかえり。
カレー作ったけど食べる?」
ソファでテレビを見てくつろいでた日々人が振り返る。
「うん!うん!ありがとう!いただきます!
手洗ってくるね。」
洗面から帰ると、日々人が鍋に火をつけてご飯をよそってくれていた。
「あっ2人分、まだ食べてなかったの?」
「うん。
一緒に食おうと思って待ってた。」
「わーお腹空いたよね。ありがとう。
もっと遅くなっちゃう日もあるし、先食べててね。」
カレーを混ぜるとゴロゴロ野菜やお肉が入っていてすごく美味しそうだ。

「うー、おいしい!」
「はは。よかった。
ゆめ今日テンション高いね。
何かいいことあった?」
「わかる??あのね、実はね、次の秋冬の買い付けにベルギーに行けることになったの!」
「おおー!やったじゃん。すげぇ。
いつから行くの?」
「5月だからまだ先なんだけど、ベルギーの服大好きだからすっごい楽しみ!」
「へー。俺は服のことよくわからないけど、がんばってね。」
「うん!仕事の間中、日々人に言いたくて仕方なかったよー。
やっと言えた!もう、嬉しすぎる!」
顔が緩みっぱなしになってしまうわたしを日々人が笑顔で聞いてくれる。
「お祝いしなきゃな。
なんかうちの実家、何かあれば母さんがケーキ買ってきてお祝いしてたんだよね。
たぶん母さんが食いたかっただけなんだと思うけど。」
「ええー、いいね。」
「よし、じゃあ明日やるか。
最近ちゃんと家で食ってたし、外で美味いの食べてお祝いしよう!
仕事終わったら連絡ちょうだい。」
「うん。ありがとう!わー楽しみ。」
「うん。あっゆめカレーついてるよ。」
日々人がわたしの唇をペロリと舐める。
「!!!」
ビックリして声が出ず、顔が真っ赤になってしまう。
「…、もう、日々人ずるい……。」
顔を手で覆って、やっとこれだけ言う。
それを面白そうに見ていた日々人だけど、
「じゃあ仕返ししていいよ。」
と目を閉じてどうぞ、と顔を出す。
「…バカ。」
悔しいから日々人の顔を持って、思いきり深いキスをする。
プハっと口を離して日々人を見ると、ビックリした顔。
してやったり、とにっと笑うと、「…参りました。」と笑う。
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