第7章 贈り物
次の日、仕事を終えて大急ぎで走る。
時間は夜の7時25分。
今日は悪天候のせいか、客も少なく閉店前から閉店準備をできたからかなり早く上がれた。
日々人はもう仕事も終わって家に着いているみたいだ。
何時になるか分からないから家で待ち合わせてからレストランに行くことになっているので、家に急ぐ。
白い息が煙みたいにもうもうと空に登っていく。
今日は日々人が買ってくれたワンピースをシンプルに一枚で着ている。
中に紫のタートルを着て差し色にして、足元はグレーのスニーカーで外している。
でも帰ったら、お出かけだしこの間の買い物で買った黒のショートブーツに履き替えよう。
そんなことを考えてたらマンションに着いた。
ダッシュでエレベーターに乗り込む。
「ただいま!!」
バタンとドアを開けて部屋に入ると、日々人がちょうど洗面所から出てきたところだった。
「おっお疲れ様。あはは。息きれてんじゃん。大丈夫?」
「うん。楽しみすぎて、早く行きたかったから走っちゃった。」
「あはは。じゃあ俺も上着取ってくる。」
と言って日々人が寝室に消えていく。
わたしは今のうちにスニーカーからブーツに履き替える。
はぁはぁ、と肩で息をしていると、コートを着た日々人がお水を渡してくれる。
ありがとう、受け止って一気に飲み干して、やっと息が落ち着いてきた。
「よし。じゃあ行こっか。」
うん。とうなずく。
外はチラチラとまた雪が降り出していた。
「寒いね。」
そう言って日々人がコートのポケットから手袋を取り出す。
「あっ使ってくれてるんだね。」
「うん。めちゃあたたかい。ありがとう。」
手袋をした手でわたしの手を包んでくれる。