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stride‼︎

第7章 贈り物


     
    * * *

お客様が帰って、ぐちゃぐちゃになった服をたたんだり、マネキンに服を着せ直す。
火事の翌週の木曜日にウルイープカに復帰してから2週間がたった。
やっぱりお店で働くのは楽しい。
お客様との何気ない会話、顧客の子供たちの成長、そして何より提案したスタイリングを気に入って買ってもらえた時は何より嬉しいし、励みになる。

レジのチェックをしてたディミトリーがチェックを終えてこっちに来る。
「ゆめ、ご苦労様。」
「いっぱい来てビックリしましたね。
でもかわいい、かわいいってたくさん買ってくれて嬉しかった。」
「うん。蝶柄シリーズ、すごいね。
ほぼ売り切れだもんね。
今日もブラウス2枚と、スカートか。
ゆめが着た効果絶大だね。」
「へへ。頑張って売り切ります!」
蝶柄シリーズは、前にディミトリーからもらったスカートのシリーズで、スカートとブラウス、あとワンピースがある。
わたしは今日もそのスカートに黒のニットとグレーのベレー帽を合わせて着ている。

在庫のサイズチェックをしていると、ディミトリーが話しかけてきた。
「ねぇ、ゆめ、次の秋冬の展示会、一緒に行ってみない?
すごく勉強になると思うんだ。」
急な問いかけにビックリして思わず手が止まってしまう。
「え!?いいんですか??」
「うん。もうすぐゆめも働き始めて2年でしょ。少しずつ発注の手伝いもしてもらおうかなって、考えてたんだ。
まずはゆめの好きなベルギーのブランドからどう??」
「…っっ!行きたいです!!!」
「オッケー。」と言ってディミトリーが頭をポンポンと撫でてくれる。

嬉しい!嬉しい!!嬉しい!!!
展示会に行けるなんてすごい!!
しかも大好きなベルギーの服!!
「5月頃になると思う。
通訳はつくけど、少しずつフランス語も勉強しといてね。」
「はい!!」
ベルギーはドイツ語とフランス語が入り混じった国で、私たちが行くブリュッセルはフランス語圏なのだ。

休憩時間ワクワクしすぎて、お昼のお弁当の味もわからないまま食べて、ソファに背を沈める。
展示会…。楽しみすぎる!
早く日々人にも報告したいなぁ。
携帯のアプリでフランス語の勉強するアプリを探したりして、あっという間に休憩時間が終わってしまった。
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