第7章 贈り物
甘くて気怠い余韻の中、日々人の胸に頬を寄せる。
わたしの肩に回された日々人の手が、温かくて気持ちいい。
日々人の休みを2日とも潰してしまったなぁ。
暇があったら書類を見ていたしきっと忙しいのに、嫌な顔ひとつせず付き合ってくれた。
「ありがとう。」小さく呟くと、
「ん…?」と、ウトウトしていた日々人がうっすら目を開ける。
「ううん、なんでもない。」
「う…ん。」
わたしの肩をぎゅっと抱き寄せて、日々人がもう一度目を瞑る。
カーテンから覗く空は薄暗くなってきている。
そろそろ晩ご飯を考えなきゃいけないけど、もう少しこのままでいたくて目を瞑る。
火事に遭って最初はどうなるかと思ったけど、日々人がいてくれたからこんなに穏やかに生活をおくれている。
でも、いつまでも甘えてる訳にもいかないなと、気持ちを引き締める。
明日はとりあえずゴミを回収してもらう業者に電話して、日々人と住めることになったおかげで仕事も思ってたよりも早く復帰できそうだから、ウルイープカにも顔を出そう。
家賃とか生活費のこともちゃんと決めてかなきゃ。
色々考えだすとじっとしていられなくなって、日々人を起こさないように、そーっと日々人の手からすり抜けて布団を日々人にかけ直してからシャワーに向かう。
シャワーを出てから、冷蔵庫を見てオムライスとサラダ、スープを作ることにする。
スープを作ってからチキンライスを作っていると、日々人が起きてくる。
「わり、寝ちゃってた。」
「大丈夫だよ。ごはんもうちょっとかかるから、先シャワー浴びてきなよ。」
「うん。」
うんと言いながら日々人がキッチンに真っ直ぐ来て、うしろからわたしに抱きつく。
「ゆめありがと。いい匂い。腹減った〜。」
小さい子供みたいなことを言うから笑ってしまう。
「ふふ。もうちょっと待ってね。
今日はオムライスだよ。」
「うまそう。すぐ入ってくる。」
「うん。いってらっしゃい。」
ちゅ、と軽くわたしの頭にキスをしてからようやくシャワーに向かう。
日々人って下の子だからか、普段はすごく頼りがいがあるのにふとした時に甘えてきて可愛い。そういう所も大好きだなぁ。自然と顔が緩んでしまう。
レタスとブロッコリーとトマト、チーズでシンプルなサラダを作って、オムライス用に玉子に味付けして溶いていると日々人が出てきた。
