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stride‼︎

第7章 贈り物


いつか、日々人に手袋をあげたいと思っていたのを思い出す。
レジ近くだったので、見に行く。
裏がボアになっていてどれも温かそうだ。
その中でもグレーのシンプルなノルディック柄に目が止まる。
これならどんなコートにも合わせやすそう…。

これも、と店員さんにお願いしようとすると、日々人が紙袋をわたしに渡す。
「このワンピースは俺からのプレゼント。
いっぱい着てね。」
お会計を済ませてプレゼント包装までしてくれている。
「ええ!??いいの??」
「うん。何かあげたいって思ってたから。
このワンピースめっちゃ気に入ってたでしょ。
だから俺からあげたかったの。」
「あ、ありがとう〜。」
また涙ぐんでしまう。
「嬉しい。ありがとう。」
「ん、どういたしまして。」
今度は涙を日々人が拭ってくれる。
「嬉しすぎて抱きつきたいけど、お店だからやめとく。」
ハハっと日々人が笑う。

「それも買うの?」
手に持っていた手袋を指差して日々人が言う。
「あっそうだった!
ちょっと待っててね!」

レジでお会計して、簡単にプレゼント包装もしてもらい、お店を出てから日々人に袋を手渡す。
「日々人、いつも本当にありがとう。」
「え!?俺に??」
「うん。日々人自転車乗る時いつも手袋してなかったでしょ。
あげたいなってずっと思ってたんだ。」
「うわっ、マジで?ありがとう!
開けていい?」
「うん。」
ガサガサリボンを解いて手袋を取り出し手にはめる。
「うん、温かい。」
「へへ。似合ってる!使ってね。」
「うん。ありがと。」
「どういたしまして。」

「あと買いたい物なんかある?」
「ううん。もう大丈夫!付き合ってくれてありがとう。」
「うん。んじゃ、帰ろっか!」
日々人が手袋をした手を出してくれる。
ぎゅっと温かい手を握り返してうなずく。
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