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stride‼︎

第6章 デート デイ


今度は日々人が下唇を突き出す。
「コンニャロっ!」とガシッと頭に腕を回されてギリギリと閉められる。
「あはは、痛い、日々人痛い!ごめんって降参〜!」
胸を押すけど力では敵わなくて逃れられない。

そのとき休憩室のドアが開く。
プッとディミトリーが吹き出す。
「あッディミトリー!」
なんだか恥ずかしいところを見られてしまった。
「ゆめ、元気そうでよかったよ。
日々人、だよね。
店主のディミトリーです。よろしくね。」
「よろしく。」
2人が挨拶の笑顔で握手を交わす。

ディミトリーがソファの前の椅子に腰掛ける。
「ディミトリー、土日の忙しいときに休んでしまってごめんなさい。」
「事故だからしょうがないよ。
大変なときはお互いさま。
それより、体調と、家はどうなの?」

わたしは今の状況をかいつまんで話す。

「そっか。アパート直るならよかったね。
体調も悪くならなくてよかったよ。」
「うん。ありがとう。
明日アパートの中、使えるものがどれくらいあるか見て、そのあと部屋の中片付けて、来週の土日には必ず復帰します!!」
「うん。まぁ、無理はしなくていいからね。
大変だろうけど、頑張って。」
「はい。」
「あっそんな大変なゆめにプレゼントがあるんだった。」
そう言って服のストックを置いている棚をゴソゴソしてからディミトリーが戻ってくる。
その手にはかわいくラッピングされた袋。
わたしにポンと手渡してくれる。
「開けてみて。」
優しい笑顔でディミトリーが言う。
リボンを解き開けると中には、お店の商品の前から欲しかった蝶柄のスカート。
「わぁー!!本当にいいんですか??」
蝶のシリーズは人気なので涙を飲んで諦めたのだ。
「ふふ、うん。
その代わり、残りの蝶シリーズがんばって売ってね。」
「はい!絶対完売させます!!」
「うん。お願いね。」

そのときカランコロンっと店のドアが鳴る。
「あっお客さん来ちゃった。
じゃあ、ゆめの元気な顔が見れてよかったよ。
ゆっくりしてってくれてかまわないから。」

慌ただしく店に戻って行くディミトリーを見送り、姿見の前で貰ったスカートを合わせる。
やっぱりかわいい。
「スカート、よかったね。」
「うん!ずっと欲しかったから嬉しい!」

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