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stride‼︎

第2章 公園日和


パパッと必要なものを買い込んで会計をすませる。
1週間分を買い込むので結構な量になった荷物を、ヒョイっと日々人が持ってくれて、自転車の前かごにいれてくれる。

「自炊結構するの?」
「うん、節約してるし、やりだしたら結構楽しくて。
でも、週1しか行かないから結構な量になっちゃうんだよね。」

「ゆめの手料理食べてみたい…。」
日々人がポツリと呟く。
「え??大したもの作れないよ!?
ち…ちなみに何が食べたい?」
ドキドキしながら聞いてみる。
「んー…、ハンバーグ…かな。」
「ハンバーグなら作れる…かな。
じゃあ次会うとき、ハンバーグ作るね!」
「おっ!楽しみ!」

日々人の顔が輝く。
「えー、普通のしか作れないからあんま期待しないで!!」
「いや、めっちゃ期待してます。」
「えー、めっちゃプレッシャーだよ。」
困った顔をしていると、あははと日々人が笑う。

「自転車の鍵貸して。
ゆめは後ろ乗ってね。」
「ありがとう。
学生の頃憧れだったんだよね。自転車で好きな人の後ろに乗るの。
わたし電車通学だったからそんなのなかったし。
なんか、嬉しいな。」

「わっ!」
荷台に乗ろうとすると、日々人にいきなり後ろから抱きしめられる。
「…もう、ゆめ、可愛すぎ…。
好きな人って言われただけで、俺、すげー嬉しんだけど…。
まだ、帰したくない。」
「!!」
顔と体の熱が一気に上がる。
しばらくぎゅうっと抱きしめられる。
背中の体温の心地よさと、自分の心臓の落ちつかない鼓動で、どうしていいのかわからなくなって固まってしまう。

しばらくすると、「……でも、明日から2人とも仕事だし、帰んないとね。
ごめんごめん、乗ろうとしてたのに。
さっ行こ!」
と言って。日々人がポンっとわたしの頭を撫でてからサドルにまたがる。
わたしは、ドキドキしながら、朝に乗った時より少しだけ日々人にひっついて、荷台に座る。

日々人がゆっくりと自転車を漕ぎはじめる。
「ゆめは水曜が休み?」
「うん。あとは、週にもう1日平日どこかでお休み。
日々人は?」
「俺は基本土日が休み。」
「そっか、なかなか一日中いっしょに過ごすのは難しいね。」
「そうだね。でも、夜は俺割と早く上がれる日もあるから、また連絡するよ。」
「うん。」

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