第2章 公園日和
ほう…と白い息をはく。
日々人の息も白い。
夜の深い青に、白い息が綺麗だなと思う。
「寒かったらまたダウンのポケットに手入れてていいよ。」
日々人が優しく言ってくれる。
風が冷たくて手が痛かったので、お言葉に甘えて入れさせてもらう。
「ふふ、あったかい。」
日々人が少し振り返って微笑む。
「あっ次の道右に曲がったところ。
青い屋根のアパートだよ。」
「はいよ!」
曲がると私の住んでいる青い屋根の小さなアパートが見えてくる。
日々人がアパートの自転車置きに自転車を停めてくれる。
「送ってくれてありがとう。」
「うん。
じゃあまたね。おやすみ、ゆめ。」
「ん、おやすみ。」
少し寂しくなって日々人を見上げると、優しいキスが降ってくる。
少し離して、もう一度ちゅ、と口づけてから唇が離れる。
「そんな顔で見られたら帰したくなくなるから、ダメ。」
軽くおでこを小突かれる。
「ぁいて。」
「またね、ゆめ。」
そう言って、日々人が来た道を歩き始める。
「気をつけてね!またメールするね!」
手を振りながら言うと、日々人も「うん。」と手を振りながら答えてくれる。
日々人が角を曲がって見えなくなるまで見送ってから、荷物を持ってアパートの階段を上り、部屋に入った。