第2章 公園日和
いっきにしゃべって、なんでかわからないけど泣きそうになって、慌てて鼻をすする。
「だから、また会ってくださいなんてポロっと口から出ちゃって…。
日々人さんも初対面で、しかもお店の店員にそんなこと言われてビックリしたと思うんですけど、あんなこと言っちゃって、わたしが一番ビックリしました。」
あははと頭をかきながら言うと、日々人さんが目を見開いてマジマジとわたしを見る。
あんま見ないでー!!
顔が赤くなってくのが自分でもわかる。
「うん。ビックリしたけど…。
てかなんかめちゃくちゃ嬉しい…。
月に行った映像見てそんな風に勇気湧いた人がいるなんて、考えたこともなかった。」
「きっと、たっくさんいると思いますよ!!」
日々人さんが私を覗き込むようにして、
「じゃあ、ゆめちゃんも絶対に夢、叶えてね。」
と笑顔で言ってくれる。
「はい!頑張ります!!」
ほんと、この人は私にパワーをくれる人だなぁ。
私もいつかこんな風になれたらいいな。
「いつかお店が持てたらお店の名前、大恩人の『ヒビチョフ』にしようかな。」
「…絶対ダメ。
てかヒビチョフ引っ張りすぎ。
もう忘れなさい。」
しかめ面で軽く頭にチョップされてしまう。
あははと笑って逃げようとすると、足元に落ちていた石ころを踏んでしまい態勢をくずして日々人さんの方に倒れてしまう。
「わっ!!」
初めて会ったときみたいに肩を支えて抱きとめてくれる。
「大丈夫?つまずいた??」
わーまた近い!心臓がバクバクうるさい。
「だッ大丈夫です!!
すみません。」
慌てて起き上がる。
「ん、じゃあそろそろ食べに行きますか!」
日々人さんがおしりをはたきながら立ち上がる。
いつの間にか、お昼にちょうどいい時間になっている。
「そうですね。こっちです。」
まだバクバクしている心臓をどうにかおさめて私も立ち上がる。
しかし、店にはすごい行列ができている。
「えー!平日なのに!?
今までこんなことなかったんですけど…。
すみません。」
シュンとうなだれていると、頭をポンポンと撫でてくれてドキッとしてしまう。
「しょうがないしょうがない。
また今度来ればいいよ。
あっ!あっちにピロシキの露店がある!
今日は天気いいし、あれ買ってどっかで食べよう。」
そう言って歩き出す。