• テキストサイズ

【黒バス】それはきっと涙の色【赤司】

第1章 春、桜のない空


洛山高校

高校バスケ界最強の帝王とまで呼ばれてる

当然のようにせーくんはスポーツ推薦で合格した

あたしはせーくんに急き立てられて勉強させられて、わざわざ京都にまで受験しに行って……




あたしとせーくんは才能とか全部が違いすぎる





だから、あたしはせーくんが嫌いだ
そして、あたしはせーくんに憧れる自分が嫌いだ

いい加減追いつけないことを自覚すればいいのに

そうすれば、せーくんの言葉に縛られてこんなところまで来ることにはならなかったかもしれないのに

せーくんもいいかげん、足でまといにしかならないあたしのことを見捨てればいいのに

使えない駒は切り捨てるのがせーくんの考えのはずなのに



とかまあぐだぐだと、ひとり考えてる


せーくんは洛山バスケ部の練習に行ってる
スポーツ推薦の人は春休みから練習に出れるらしい


あたしはひとり寂しく自分の部屋の整理
東京の家から届いたダンボールを開けて、自分の部屋をカスタマイズ
結構時間はかかりそうだけど、春休みのあいだには終わるだろう


部活で忙しいだろうからあたしがせーくんの荷物もやってあげようかな
でも、見られたくないものとか入ってたら悪いしなー

今度聞いとこう





あたし以外誰もいない部屋で

ひとりぼっちは思っていた以上に寂しい
一人暮らしじゃなくてよかったかもなんて思った



ガチャリとドアの開く音

「ただいま」
「おかえり」

部屋から出てそう言う

「ああ、。突然で悪いんだけど」
「?」
「明日から練習に来てもらうことになったから」
「へ?……なんで?」
「誰もマネージャーがいないみたいで、どうせやるんだったら春休みからでもいいよね?」
「え!?あたしマネージャーやるなんて一言も言ってないけど」
「……しないのかい?」

だから目が怖いんだよせーくん

「……」
「返事しないってことは、マネージャーしてくれるってことでいいのかな?」
「……」
「じゃあ、明日は一緒に行こうね」

……横暴だ!!こんなのひどすぎるよー

/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp