第16章 髪は切っても 甘ギャグ夢
稽古場
ガチャ
「観客求むってわたしだけに言ってどうするのさ…って何でこのメンツ?」
東『ふふっ♪今回のエチュードは失恋した女の子を慰めるってテーマみたいでね。めぐにお願いしたんだ♪』
「いづみちゃんでも良くない?」
東『カントクは別の劇団の手伝いで今日は夜まで帰らないからね』
「んじゃ仕方ないか。で?わたしは何か台詞言うの?」
東『いや、今回はみんなが台詞を言うからめぐは相手役として聞いてくれればいいんだ♪』
「おけ」
東『じゃあ、組ごとにいこうか♪じゃあ咲也から』
咲也『は、はい!…えっと、君はすごく魅力的でいつも笑顔が可愛くて、だ、だから失恋してしまっても、またすぐ笑えるように俺が側にいるから!だからどうか泣かないで欲しいんだ…ぼくの側で笑った顔を見せて?』
「咲也、演技でそんなこと言えるんだね!戯曲いっぱい練習してるもんね!」
咲也『う、うん!』
東『まずはこんなところかな?じゃ次は至かな?』
至『はいはーい』
たるちモードの髪ゴムを外して男・茅ヶ崎至モードにシフトチェンジ。
至『君は俺の可愛い妹。可愛い妹を守るのは兄である俺の役目。そこら辺の男にフラれたって俺が一番可愛いと思うのはお前だけだよ』
「至さん、兄妹設定意外とどハマりじゃん笑」
至『本当の兄妹じゃなくて良かったって思ってるよ?それはそれで悪くないシチュだけどね♪』
「オタクの妄想ハンパないな」
東『じゃあ次は千景、よろしくね♪』
千景がめぐの前に片膝ついて右手を自分の左胸に当て、左手でめぐの右手をとった。
千景『…マイプリンセス。あなたのその宝石のような瞳を曇らせることはもう二度と起こらない。またあの春の訪れのような暖かな笑顔を見せてはくれないか?』
「千景さん、次の公演で綴に王子の当て書きしてもらえば?」
千景『めぐが褒めてくれるならそれもいいかもね♪』
東『じゃあ次は一成かな』
カズ『うぃうぃ☆…君の悲しい思い出は俺との楽しい思い出だけで埋めてあげる。だからもう悲しまないで、俺だけに笑って見せて?』
「普段チャラいからギャップすごいね」
カズ『素直にカッコいいって褒めて☆』
東『じゃあ次は椋?』