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満開桜

第15章 孤独 御影密 切甘


密『でももし今本当に記憶を失ったら、このカンパニーであったことも忘れてしまう。それは絶対に嫌だった。過去の記憶がどれだけ辛いものでも今のこの記憶を失うことに比べたら記憶を失うことの方が怖かった。また1人になってしまう。やっと見つけたのに。』
めぐの目から涙が溢れて止まらない。
密『そのあと冬組のみんなに言ったんだ。もしかしたらおれの記憶のせいで辛い思いをすることがあるかもしれないって。そしたらみんなは大丈夫。一緒に背負っていこう。もう1人じゃない。そう言ってくれたんだ。だからおれは今もみんなと一緒にいる。』
めぐがポツリと話し始めた。
「密は強いね。ちゃんと受け入れたんだ。」
密『うん。みんなに話せて良かった。話すまでは辛かった。』
「わたしには話す勇気はない。」
密『逆だったらめぐはどうする?きっとめぐなら話してくれるようにするでしょ?』
「うん。悩んでるみんなを見たくないからね。……あ…」
密『気が付いた?カンパニーのみんなも同じ気持ちだよ。みんなとっても心配してる。めぐから話してくれることを待ってる。』
「わたし、みんなにひどいことしちゃった…どの面下げて話せばいいの…」
密『大丈夫。みんなめぐのことちゃんと信じて待ってるよ。』
「密、話す時に隣にいてくれる?」
密『うん。めぐが怖いなら隣にいる。手も繋いでおく。』
「話せるかな…?」
密はめぐのおでこと自分のおでこをくっつけた。
「大丈夫。上手く伝えなくていい。今思ってることを思ったままに話せばいいんだよ。」
「……わかった」
そして2人は部屋をあとにした。
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