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桜計画

第12章 門出の日 音済百太郎 甘裏


カチャカチャ…
「ん…あれ、撮影終わって帰ってきたんだっけ…いい匂い…」
ガチャ
百『めぐ、少しは眠れたか?』
「百、うん。少しスッキリした。」
百『それは良かった。タマゴ粥をちょっと作ったが食べられそうか?』
「百のタマゴ粥好きー♪食べたい!」
百『今持って行くから座っていてくれ。』
「うん!」
ダイニングテーブルに土鍋に入ったタマゴ粥が運ばれた。湯気と共に食欲をそそる匂いがする。
「ご飯久しぶり〜、いただきまーす♪…はふ、美味しい!」
百『それなら良かった』
「うん、ありがと!でも百、衣装大丈夫?」
百『あぁ、先方からそのままくれると言っていたらしい。』
「へぇ、太っ腹だね。」
百『めぐのスタイリングが良かったからだ』
「ううん、スタイリングを最大限に活かしてくれるのはみんなだからね。みんなの実力だよ」
スッ
百がめぐの頬に手を重ねた。
「どうしたの?」
百『顔色、だいぶ良くなった』
「あー、なんか心配かけてごめんね?いけるかなぁって思ったらそうでもなくて、」
ギュッ
百『心配した。でも何も力になってやれない自分がもどかしかった。』
「そんなことないよ。百はいつも心配してくれたよ。今日も部屋まで運んでくれたの百でしょ?ご飯まで作ってくれた。感謝してるよ。」
百『撮影が終わってめぐがつばさに凭れかかっているのを見て血の気がひいた。』
「さすがにちょっとキツくて。ごめんね?」
コツン
百がめぐの両頬を包み、おでこを合わせた。
百『めぐのプロ意識はいつも近くで見てる。他のメンバーもそうだ。誰よりも努力して誰よりも俺たちのことを考えてくれている。だからたまには休んでくれ。』
「百…うん。じゃあ今は百に甘えようかな。さっきみたいにギューして?」
百『わかった。…めぐの匂い、久しぶりだ。』
「わたしも…百の匂い好き」
百『……めぐ、すまない。我慢していたがもう無理そうだ』
「ん、わかった。いいよ。」
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