第9章 BATTLE START
皆がそれぞれ自分の出席番号のトランクを持ち、更衣室へと足を運ぶ。
「コスチュームだって!どんなんだろうね!」
「ん?性能とか見た目の要望だしてないのかい?」
麗日が抱きかかえているトランクに目をやれば、持ち直すように抱き締めていた。
「えーっと、ほとんど酔い防止やから…見た目はあんまり?」
「あぁ、入試で吐いてたもんね…」
そういえば、と終了間際で緑谷を助けた時を思い出した。
「彩希ちゃんのは?」
「私は見た目重視かなぁ。ま、お互い見てのお楽しみだね」
「せやね!あ、ところでさ」
「ん?」
「ネクタイとブレザーどうしたの」
「暑いから着てない」
「まだ4月なのに!!」
思わず吹き出す麗日。そんなに面白いのかと彩希は首を傾げた。
グラウンドβ。
ビルが立ち並ぶ市街地のような演習場は、入試の時にでも使われていた場所である。
その出入り口で、オールマイトが着替えた生徒達を仁王立ちで迎えた。
「格好から入るってのも、大切なことだぜ少年少女!!」
それぞれが各々の"個性"に見合ったコスチュームを着て演習場に足を踏み入れた。
「自覚するのだ!!今日から自分は…ヒーローなのだと!!!」
コスチュームを着れば、皆の表情が自然と引き締まっている。それを見回し、オールマイトは頷いた。
「始めようか、有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!!」
そして一人、いや二人出遅れた生徒が合流する。
「あ、デク君!?…と?」
片方は覆面を着けていて顔が見えなかったが、雰囲気でわかったのか麗日が声を掛ける。そしてその後ろのフードを深く被った人物が特定できない。
「麗日さ…うおおぉぉお…!?」
「うっわ、お茶子ちゃんセクシーな。サポート会社最高か」
「その声彩希ちゃ…え、え…?」
麗日のぴったりとした衣装に思わず口を押える緑谷。対称的に包み隠さず感想を言う人物は声色を聞いて彩希だとわかった。