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【ヒロアカ】ジェントルガール【原作沿い】

第8章 それは熱を持つ


凝視しているとさすがに気付いたのか、緑谷は気まずそうに左手で右手を隠した。

「あ、あの!大丈夫だから!入試の時より全然…」
「ちょっと見せて」
「でも本当に」
「見、せ、て?」
「…ハイ」

笑顔の威圧感に負けたのか、大人しく手を差し出す。すると彩希はその手を取り、自身の口元へ持っていくと、

「ひぇっ!?」
「えっ!?」

緑谷の負傷した指をぱくりと咥えた。

「あ、ああぁあああの東動さムグッ」
「ひうかにひへへ(静かにしてて)」
「はわわわ…!」

叫びそうになる緑谷の口を開いている手で塞ぐ。
彩希は横目で相澤を見るが、こちらを見ていない事を確認してそのまま行為を続けた。
たまに指に感じる硬いものは歯だろうか。ざらつく舌に痛みとくすぐったいような感覚が緑谷に迫り、小さく身体が跳ねた。
一つの指から様々な感触を味わう彼の顔はとても赤かった。それを口を押えて見ている麗日の顔も赤かった。

「…こんなもんかな、あんまり"治る"と気付かれるからね」

時間で言えばほんの数秒だったが、彼にはとても長く感じただろう。
押さえていた緑谷の口を解放し、自分の唾液がついた指をハンカチで拭く。
咥えた指を離した時に垂れたのか、彩希が唇を舐める仕草に二人は一瞬鼓動が早くなった。

「ごめんね、突然。あまりにも痛そうだったからつい。ちゃんと洗って、保健室には行きなよ」
「え、あ、う、うん…あれ」

じゃあまた。と何事もなかったかのように彩希はその場を離れる。

「…びっくりしたね…やっぱり海外に住んでた人って大胆なのかな?」
「…どうなんだろう…でも…」

(さっきよりは痛みが引いた…?)

まだ痛む右手の人差し指。だがその痛みも、僅かだが引いたような気がする。
舐められた指を見れば拭き残された唾液に混じり、赤い液体のようなものが見えた。

「…これ、血…?」

そういえば、唇を舐めたときの舌がやけに赤かったような。







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