第6章 フリーダムアカデミー
雄英高等学校ヒーロー科への入学倍率が毎年300を超える理由とは、推薦入学4名を除く一般入試の定員は36名。18人ずつの2クラスしか存在しないためである。
そんな中、今年特別枠で海外から編入した生徒がいた。
「……」
「……」
「質問があります」
「なんだ」
「なんで寝袋持ってるんですか」
「いつでも寝れる。合理的だろ」
「……なるほど?」
それはいいなと思ってしまったのは眠気のせいだろう、彩希はそう思う事にした。
校舎に入った早々、担任だというくたびれた男、相澤消太に特待生だからと同行しろと言われ、大人しく彼の後ろをついていく。
その道すがら、特待生としての立場はあまり意味はなく、むしろヒーロー科を落ちた生徒からズルだ裏口入学だと恨み妬みがあると聞かされる。
(この人、入学早々心へし折る気か…)
「まぁ、お前ならそんなもん雑音にしか捉えんだろう」
「相澤先生…!」
「いや、神経図太そうだろうし」
「It was foolish of me to believe that!」
「日本語で話せ」
ため息を付き頭が痛そうに手を当てる。頭痛がするのはこっちだよと彩希は恨めしそうに相澤の背中を見た。
「ヘブッ」
彼は突然立ち止まり、思わず黒い背中に顔をぶつけてしまった。
「…っ急に立ち止まらないでください」
「悪いな、思ったより早く着いたから本鈴鳴るまで俺は寝る。先教室入ってろ」
「は?寝るって…」
すると相澤は持っていた寝袋に入り込み、その場で、廊下で、横になってしまった。
「No way(マジかよ)」
頭を抱え、ため息をつく。
彩希の教室、A組はすぐ目の前。言われた通りに教室へ行くと、出入り口に見覚えのある生徒がいた。
「お茶子ちゃん?」