第6章 フリーダムアカデミー
「実技総合成績出ました」
「救助〈レスキュー〉ポイント0で1位とはねぇ!!」
「『1P』『2P』は標的を捕捉し近寄ってくる、後半、他が鈍っていく中、派手な"個性"で寄せつけ迎撃し続けた、タフネスの賜物だ」
「対照的に敵〈ヴィラン〉ポイント0で8位」
「アレに立ち向かったのは過去にもいたけど…ぶっ飛ばしちゃったのは久しくみてないね」
「しかし、自身の衝撃で甚大な負傷…まるで発現したての幼児だ」
「例の海外からの特待生は2位か」
「敵〈ヴィラン〉は3ポイントのみに狙いを絞り、救助〈レスキュー〉は…最後の瓦礫を抑え込んだところで一気に跳ね上がったようだな」
「彼女の"個性"上、無機物にはやはり有利か…対人でどう対処するかが見物だな」
「え?彼じゃないの?」
「……編入願書ちゃんと読んどけよ」
◆フリーダムアカデミー◆
季節は変わり、暖かな春の陽気が降り注ぐ。木々は萌黄色に染まり、葉桜の名残りがひらりと散った。
「ふあ~~~~~~あ…ぁふ」
そんな中、彩希は眠気と戦いながら自身の通う学び舎となる雄英高校へと続く坂道を歩いている。
眠気覚ましに普段は食べないハッカ味の飴を口に放り込み、あまりの爽快さに少し涙目になった。
(昨日結局いつもの時間に寝れなかったじゃないか…馬鹿親父め)
以下回想。
「彩希!ちゃんとハンカチティッシュ持ったね!?筆記用具は?応急セットは?」
「持った、持ったから、全部鞄に入ってる」
「ほんとかな~~??はい何これ!キャンディばっかりじゃないか!!入れるにしてもひとまとめに!」
「入れてはいいんだ…」
「後はケータイのバッテリーとかもあったら便利だよね。他にこれも、コレも」
「鞄重くなるからやめてくんない?ねぇ聞いてる?やめてくんない?」
回想終了。
父親の心配症には慣れていると思っていたが、今日からまた家を空ける、入学初日とのことで昨晩は輪を掛けて心配していた。
(心配してくれるのは構わないんだけど、度が過ぎてるんだよねぇ)
普段よりも重い鞄を憂鬱そうに肩に掛け直し、校舎へと入っていった。