第5章 終わりのあと
◆終わりのあと◆
実技試験は無事終了し、手応えがあった者、もっとやれたと後悔する者、それぞれが心に感想を持つ中、彩希はひとり講師の元へと向かっていた。
(…飯田って奴が言っていたことを察するに、敵を倒すポイントだけじゃないってことだよな)
明確な答えは返ってこないかもしれないが、聞く価値はある。
「あれ?君あの時の!」
おーいと呼ばれ振り向くと、そこには浮かせる"個性"を持つ女子が手を振りながらこちら側に駆け付ける。
「君は…」
「麗日お茶子です!あの時は助けてくれてありがとう!」
演習場では動きを考慮したジャージ姿だった彼女は、恐らく中学の制服だろうセーラー服を着ていた。
「お茶子ちゃんね、東動彩希です。でも結局私も捕まっちゃって、助けたのは彼だったよ」
「そんな、でも最後に降ってくる瓦礫止めてくれたの東動君やし…『私』??」
こてんと首をかしげる麗日。それにつられきょとんと彩希も首をかしげた。
「お、女の子やったん!?」
「そうだよ、男子だと思ってた?」
「うん。背高いしかっこいいし校門のとこでも目立ってたし…ごめんね、初対面でこんなこと言って」
「ううん、気にしてないから大丈夫だよ」
それを聞き麗日は良かったと胸を撫で下ろす。
「というか、目立ってたんだ私」
「そりゃ目立つよ~!受験会場で私服だもん!実技試験も凄かったけど…というかなんで私服?」
「あー…中学までは海外で、親の都合で日本に帰って来たんだ。向こうって制服の学校少ないから」
「帰国子女ってやつだ、納得~」
「納得してくれてよかった、そういえば君は帰らないのかい?」
試験が終わればあとは1週間後の結果を待つのみ。学校に長居する必要はほとんどない。
「いや実はね、先生にちょっと相談があって…」
「…あの"ギミック"吹っ飛ばしてた男子について?」
「せやねん!あ、もしかして彩希ちゃんも?」
そんな感じ、と頷くと麗日は花が咲いたように笑ったが、すぐにそれはしぼんでしまった。
「私のこと助けて、その時間でロストしたぶんどうにかならんかなって思って…」
「そう、だね。なったらいいけど…」