第2章 中編
「…はぁ、なんだかオレが大人気ないみたいじゃん」
アーデンはガシガシと頭をかくと、ため息を吐いた。
ソムヌスの言い分も分かる。
逆に自分が彼の立場だった場合、彼と違う選択をする自信はなかった。
そしてユーリがくれた最後の選択肢、それを断ったのは自分自身だ。
「まぁでも、とりあえず一発は殴らせてもらうよ」
アーデンは拳に力を入れると、思いっきりソムヌスを殴った。
油断していたのか、アーデンの動きが早かったのか、彼の身体は軽く吹き飛び、倒れ込んだ。
仮にも王なんだからそこまで吹っ飛ばなくてもと思ったが、気持ちは少しすっきりした。
「はい、これでチャラね。後は、この世界と彼女のこと、頼むよ」
アーデンはソムヌスに手を貸して立ち上がらせると、彼が指差した方にさっさと足を運んだ。
「…ありがとう、兄上。どうかお元気で」
背後からソムヌスの言葉が届き、アーデンは手を上げて答えると、闇の中に消えて行った。