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闇夜の雫【FF15】

第2章 中編





アーデンがユーリを必死に探していると、音のない暗闇が青く光、身に覚えのある姿が現れた。

「…ソムヌス」

アーデンの前に現れたのは、かつての弟、ソムヌスだった。
先ほど先代の王がたくさんいたので忘れかけていたが、そういえばこいつも王となった存在だった。

アーデンは怪訝な表情でソムヌスに視線を送る。
今更何をしにきた、と言いたいところだったが、そういえばレギスを殺した後、ついでにソムヌスを殺すつもりだったのを思い出した。
しかし、ルシスに来てレギスと対峙した後、ユーリの気配を感じてすっかり忘れていたのだ。

しかもユーリとの過去の記憶を思い出し、昔に比べると、正直どうでも良くなりつつあったので、なんともいえない複雑な心境になった。

「…兄上に許してもらおうとは思わない。例え過去に戻ったとしても、あの時の俺は、きっと何度も同じ選択をせざるを得なかったと思うから」

アーデンの心情に気づいているのかいないのか、ソムヌスの言葉は歯切れが悪かった。

「…まさか、わざわざ言い訳を言いに来たわけ?」

ソムヌスの言葉に反応するアーデンの言葉は冷たいものだった。
あの日、アーデンの意思とは関係なく、勝手に犠牲者にされて、長い苦痛と孤独に囚われることになったのは事実。
その怒りが、そう簡単に消えるはずもなかったが、闇から引き離してくれるチャンスを無駄にして、結局闇に囚われることを選んだもの事実だった。

「…あの日、兄上はその身を犠牲にして世界を救おうとした。だから今度は、俺が、俺達が、この身を犠牲にして兄上と彼女を救うことにした」

ソムヌスは背後を振り返ると、闇の先を指差した。
「このまままっすぐ行けば彼女に会える。彼女が身につけているものが、きっと兄上を導いてくれるから」
「…その言葉を信じれる根拠は?」
「…え、うーん、残念ながらないかな。どうしようか。どうしたら信じてくれる?俺を殺してみる?っていっても俺の肉体はないしなぁ、それか好きなだけ殴ってみる?」

ソムヌスはそういうと、人の姿に戻りアーデンの前に降り立った。
久しぶりみる弟の顔は昔と何も変わらず、なんとも言えない悲しげな表情を浮かべると瞳を閉じた。


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