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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第95章 それ以上に、好き


覚えてないけれど、覚えてる。
知ってる。
この人が、私に優しくしてくれたこと、守ってくれたこと、引き留めてくれたこと、……優しく、体を重ねたこと。
キスも全部、なかったことになんてならないけれど。

「私……赤井さんのこと、ちゃんと、好きでした」

でも。
だけど。

「それ以上に、好きな人がいます」
「ああ」

会いたい。
会いたい。
今すぐ――

「ありがとうございました!」

深く頭を下げて――それから、振り返って走り出す。
思い出していないのに、思い出した。
分からないのに、分かる。
自然と足が向かってる、走ってる先――

「安室さんっ!!」

真っ白なスポーツカーに乗り込もうとしている背中に大きく声を上げた。

「どうしてここに」
「安室さんに会いたくて来ましたっ」

退院した時、私はここに数日いた。
居心地が悪かったのは――この人のせいじゃない。
私の、後ろめたさ。

「話をさせてください」
「すみません、僕すぐ出ないといけなくて」
「あー……そう、ですよね」

考えなしだった。
来たら、話せると思った。
もちろんいる可能性だってこの時間なら低いだろうに。

「はい、どうぞ」

自然と視線が下がっていた私の手に握らされたのは、……鍵。

「夕方には一度帰ってきます、だからそれまで部屋で待っていてください」
「いいの……?」
「ええ。……それに」

ふっ、と腰を自然に抱かれる。
近すぎる距離――耳に触れる、息。

「俺が○○に待っていてほしいから」

甘える、甘い、声。
ぎゅ、と手のひらで鍵を包まれ――体が離れる。

「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい! 気をつけてね」

朝見送ったのと同じ。
また姿が見えなくなるまで手を振って――私は、安室さんの部屋の鍵を開けた。



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