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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第95章 それ以上に、好き


――二人が学校に行くのを見送って、先輩に出かけていいかを確認した。
記憶を戻すために、というと二つ返事で行ってこいと背中を押してもらって――

「夜までには帰ってくるんだぞ」
「先輩、私、子どもじゃないですよ」

温かい言葉に頬が緩み、私は探偵社を出た。
ポアロを外から覗いて――安室さんがいないことを確認し、少し残念だって思う自分に小さく笑ってしまう。

きっと、これがいつもの私だった。

辿り着いた先は、なぜか迷わずにすんなり着いてしまった先は――〝工藤〟と書かれた表札の前。
ピンポン、と恐る恐る鳴らしたチャイムの後――はい、と聞こえた知ってる声。

「あの、……すみません、今、いいでしょうか」

沖矢昴――赤井さん。
扉が開いて、私を確認した沖矢さんは静かに部屋へと招き入れた。

「驚いたな。……いいのか、ここにきて」

喉元のチョーカーに触れると、声が変わる。
その違和感にすらなんの抵抗もないのだから、私の前でこの人が取り繕うことはないのだろうと思うと安心を覚える。

「いいか悪いかは――すみません分からないんですが……でも、貴方にもお話を聞けたらと思って」

リビングに招かれ、ソファに腰をかけながら罪悪感。
……というか多分ソファに座ったのは間違いだった。
だってここで、私は沖矢さんとキスをした。
彼は、そんな気はなかったと言ったけれど……

「率直にお聞きしたいのですが、私と貴方は、恋人同士でしたか」

零から言われた、他の男性――それが沖矢さんだということは、なぜか疑わずにしっくりきてしまった。

「それは否定したと伝えたはずだが」
「なら、この時計は?」

沖矢さんと――赤井さんと、お揃いの腕時計。
静かに卓の上に置くと、ふっと小さく笑う……何だそのくすぐったい笑い方。


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