第4章 キスからはじめようと言いますのは
向かい合ってたわいもない話をしているうちに、髪が肌にくっついてきた。
「もうそろそろ身体洗おうか。雅紀、先いいよ」
「んーん、翔ちゃんいいよ。俺、もう少し耐える!」
「ふふっ、耐えるって。わかった、じゃあ先洗うわ」
浴槽から出て何となく雅紀を見ると、少し顔が赤い気がした。
「...大丈夫?顔赤いけど」
「んっ?えっ、大丈夫だよ!」
そう言って首を左右にブンブン降る。
怪しい。
じっと雅紀を見てると、俺の顔より少し下に視線が釘付けで。
俺にガン見されてるって気づいて目を逸らした。
ほほう。
俺の息子か。
口角が上がるのが抑えきれなくて、誤魔化すようにガシガシと頭を洗った。
それを水で流す時、垂れてくる水の間から雅紀をちらりと見やった。
とろんとした目で俺の事を見てて。
いや、見てる対象が俺かどうか分からないくらいぼんやりと目を開けていて。
あー、もう結構、俺の息子が、限界...
息子が俺を触れ弄べと言わんばかりの主張をしてくる。
「んん...雅紀...」
シャワーをホルダーに嵌めると、椅子を浴槽の方に向けて雅紀の正面に据わる。
「しょおちゃんっ...そこ、もうそんなに...」
「雅紀がそんなにエロい顔してるからだかんな...」
お湯のせいでいつもより滑らかに手が動く。
上下する右手は、止まろうと思っても止まれない。
「...んっく、はぁ...」
「声、エロいね?」
「雅紀こそ...っ」
色気と熱をたっぷり含んだ雅紀の声で昇りつめる。
「あ...イっく...」
「いいよ翔ちゃん、飲んであげる」
俺は直ぐに立ち上がって、雅紀の顔の前で数回扱いた。
勢いよく飛び出した白濁は、もう雅紀の1部になってた。