第4章 キスからはじめようと言いますのは
────収録が終わって、楽屋には4人。
と言うのも、予定があるのか松潤は手際よく自分の荷物をまとめるとサングラスをばっちりかけてすぐに帰ってしまった。
逆に、いつもすぐに帰るはずの大宮SKが2人で頭を突き合わせて喋ってる。
「雅紀、この後フリーだよな?」
「え、うん」
「今晩は寝かさないけど、いいよな」
「んっふぉ」
「ん?」
「なんか吹いた、はずかしい...」
左右に分けた前髪の間からおでこを手の甲で拭う。
その手を取ってキスをする。
「楽しもうな?」
唇を手に当てたまま喋る。
雅紀が唾を飲み込んだのを見逃すはずがなかった。
「おー?さくらばコンビがイチャついてるねー!」
ひゅう、とニノが野次を飛ばしてくる。
「ふっは。ありがとな」
これがニノなりの祝福だって受け取っておくことにした。
まあだから、俺と雅紀が付き合ってるっていうのはバレてるんだろうな。
じゃあ遠慮なく。
「雅紀、行こう。んじゃあお疲れぇい」
「んあっ、あ、お、お疲れ!」
手繋いだだけで動揺しすぎだろ。
かわいいな。
にこやかに手を振ってくれる2人には、感謝ばっかりだ。