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きまぐれ

第4章 キスからはじめようと言いますのは




「ふぅえっ...しょおちょあああん!」


早速楽屋入りしてから、智くんに押し付けられた彼は、俺のかわいい恋人。


「どうしたの?智くんが相葉くんのこといじめるなんて珍しいね」

「ううん...いじめるって言うのとは違うんだけどさぁ...」


鼻をずびずび言わせながら目頭を指で押さえつける。


「雅紀。目、痛くなるでしょ?タオル濡らしてげるから」


音すらしない、軽くて柔らかいキスを雅紀のおでこに落とす。


「うん...」


もっと目が潤んで赤くなったのは、智くんじゃなくて俺のせい。


「そこのトイレで濡らしてくる。すぐ戻るよ」


ドアを閉める時、雅紀の表情が少しだけ寂しそうに見えたって、自惚れた。






「ただいま」

「おかえり。...って、なんか家にいるみたい」

「そういうの、雅紀らしくて、好き」

「えっ」


すぐに耳、赤くして。


かわいい。


「ほら。タオル冷たくない?」

「うん。いい感じ。ありがと翔ちゃん」


タオルで目を覆ったまま言う。


きゅっと上がった口角だけでもかわいさダダ漏れだ。


「雅紀」

「なーに?んっ」


そのかわいい口と俺の口を合わせる。


雅紀はすぐにもごもごするのをやめた。


向き、角度、深さ。


全部変えて、お互いを味わう。


気付いたらタオルは落ちていた。


誰かの足音が聞こえてくるまで、ずっとそうしてた。

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