第3章 どっちもどっち、どっちもすき
「潤」
潤は俯いていた。
その顔がゆっくりと上がる。
まつ毛が束になってる。
そこに集まってる液体は、お湯じゃないのは分かってるよ。
「聞いて。別れ話じゃないよ?」
目が零れそうなくらい開いた。
「大事な、話って...」
「潤とえっちしたい、て...はなし...」
恥ずかしい。
こんなに恥ずかしいことだったっけ。
「それもしかして俺が下になるやつ...?だったら俺、智に悪いことした...」
「違う、もともと俺が入れられる側で考えてたから大丈夫なんだけど...」
「なに?」
潤は俺の手首をがっちり掴んだ。
恥ずかしい。
「い、いれやすいようにっ...道具とかろーしょんとかいっぱい買ったの...潤と見ようとおもって...」
ぎゅう。
この前と同じ。
「かわいい。勘違いしてごめん。」
潤の広い胸板に抱かれてるの、大好きだ...
泡でぬるぬるしてるけど。
「て、ことはさ?」
「なに...?」
「そういう道具使ってセックスしようって、誘おうとしたってことか」
「えっ、ちが」
違くはない?のかな。
「じゃあもう1回、ベッドいく?」
耳元でそんなこと言わて興奮しないおれじゃない。
頷く代わりのキスが2人を昂らせた。