第3章 どっちもどっち、どっちもすき
「...んよし、」
注文したものが届いてから1日。
おれが下になろうって覚悟してから1ヶ月くらい。
今日は潤もおれも休み。
準備したのは、道具くらい...
だからぶっつけ本番。
「大事な話がある」って言ったから、血相変えて家に飛び込んで来るんだろうな。
片付けをだいたい終えて、スマホをいじっていたら、インターホンがなった。
テレビドアホンを付けようとしたら、急に連続でピンポンし始めた。
やっぱ焦ってるんだ。
潤には悪いけど、ちょっと面白い。
「潤、上がって?んふふ」
おれはどうしてもクスクスが抑えきれなかった。
おれが鍵を開けたその瞬間にもうドアが開いて、バタバタ大きな音を立てながらこっちに来て。
「じゅん」っておれが呼ぶ隙もないうちに抱きしめられた。
「智...もし、大事な話っていうのが別れ話だったら、俺どうしたらいいかわかんない...」
さすがにクスクスはおさまってきた。
「潤...ごめんね?実はそれ...」
「でも最後に、最後だけでいいから、ワガママ聞いて...!」
ぶちゅうっと潤のぽってりした唇で唇を塞がれた。
すぐに舌が絡んできて、完全に声が出せなくなった。
甘い潤の唾液と一緒に、熱い息がいつもより激しく入れ替わって、潤に悪いことしたなって、本気で思い始めた。