第3章 どっちもどっち、どっちもすき
「あ、相葉くん...と智くん。来てたんだ、おはよう」
ふたりきりじゃないからってがっかりすんなや。
ていうか、翔ちゃんの前でこんな話したら、おれも相葉ちゃんももたない...
「ね、相葉くん、」
「相葉ちゃんトイレ行こ!」
「えっあ、うん」
翔ちゃんのことを遮って、相葉ちゃんの手をとって楽屋から飛び出した。
翔ちゃん、ごめんね。
腕をぐいぐい引っ張って、このフロアでいちばん使われてなさそうなトイレに入った。
おれが思った通り、誰もいなかった。
一応個室に入っとく。
「リーダー、どういうこと?さっきからあんなこと...言ってさ」
相葉ちゃんは、腕をさすりながら、その腕とは反対の方を向いて少し俯いた。
「ごめん...でも、ふざけてとかじゃなくて、本気なの。」
「リーダー...?」
「おれね、潤と付き合ってる」
「ん?」
「それでね、おれたちさぁ...」
「ちょ!」
「ん?」
「ちょお、タンマ...」
相葉ちゃんは両手でTを作った。