第3章 どっちもどっち、どっちもすき
「リーダーどしたの?顔すごいよ?」
さっきまでおれの目の前には花とキラキラに囲まれた嵐がいたんだけど。
相葉ちゃんの声で、普通の楽屋に戻った。
顔すごいって、にやけてたのかな。
でもさっき、相葉ちゃんもにやけてたよね?
「相葉ちゃん、翔ちゃんとLINEしてるの?」
「んー?そうだよ、なんで?」
相葉ちゃんは下を向いたまま、文字を打ちながら答えた。
下を向いているのに、声は明るい。
「すっごいにやけてるの、気づかない?」
相葉ちゃんは小さく呻いて、固まった。
「実はね?翔ちゃんと付き合ってること、俺らしってるの。おれとニノとじゅ...松潤」
うっかり「潤」って言うところだった。
「な...え?リーダー、あれ?え、」
「ごめんね。でも誰にもばらしてないし、応援するから。」
パニックになって涙目の相葉ちゃんの肩に手を置いた。
相葉ちゃんは顔がぎゅるんって緩んだ後、そのまま涙をポロポロ流し始めた。
収録に影響が出るといけないから、タオルを濡らして目元に当てた。
相葉ちゃんはしばらくえぐえぐしてた。
心配もしたけど、早くおさまらないかなって少し焦った。