第2章 僕が手品をがんばる理由
綺麗だった。
ただそれだけ。
湿った睫毛。
白い太腿。
肩の痣。
首の筋に喉仏。
鍛え上げられた身体。
勃ち上がったそこ。
その下の小さな蕾。
俺の語彙力では、「綺麗」以外になんて表せばいいのか分からなかった。
何処に触れても可愛い声を漏らす。
可愛いっていうと肌がみるみる桜色になる。
そこにキスを落とすと俺にしがみつく。
なんて可愛いんだろう。
俺が独り占めしてるの。
ゆっくり、ゆっくり。
貴方と繋がる。
貴方と触れている面積がどんどん広くなって。
手でも、足でも、腹でも貴方を感じてる。
貴方の中は少しきつかったけど、それでも俺を受け入れてくれた。
痙攣したように震える貴方を抱きしめる。
好きだよ、好きだよって囁くと、貴方もすき、すきって小さく返事してくれる。
夢じゃ、ないんだ。