第2章 僕が手品をがんばる理由
「いくよ?」
それぞれの上で指を鳴らす。
「めくってみな。一枚ずつ」
貴方からみて一番左側を指差す。
「1、2、2、4…すげー!俺の誕生日!?」
「そうですよ。はい終わり」
「あーっ片付けないでえええっ」
貴方は鞄からスマホを取り出した。
「写真!とってから」
影が出来ないように、角度を変えて、やっと一枚。
「そんなのいいじゃないの」
「ううん。俺の誕生日にみんなに自慢すんの」
至近距離で俺に優しい笑顔を向けた。
これ、無意識なんだよ?
好きになってくださいと言ってるような物だ。
俺は、貴方に付き合ってくださいがいつまでたっても言えないのに。