• テキストサイズ

きまぐれ

第2章 僕が手品をがんばる理由




片方の山を縦にずらして、手を交差するように机上を滑らせる。


山は寄り添い合う川になって机を赤く染めた。


「はしっこの4枚とって、表にして置いて」


「数字見せていいの?」


「いいよ」


一枚とって、置く前に裏っ返す。


丁寧に、それをあと3回くりかえす。


「さん、ごー、じゅうさん、きゅう、おっけ?」


「うん」


小首を傾げる貴方は、確か12月で36歳になるんだっけ。


貴方は、未だに謎だらけだ。


キャンドルの炎がまた揺れた。


/ 80ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp