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きまぐれ
第2章 僕が手品をがんばる理由
片方の山を縦にずらして、手を交差するように机上を滑らせる。
山は寄り添い合う川になって机を赤く染めた。
「はしっこの4枚とって、表にして置いて」
「数字見せていいの?」
「いいよ」
一枚とって、置く前に裏っ返す。
丁寧に、それをあと3回くりかえす。
「さん、ごー、じゅうさん、きゅう、おっけ?」
「うん」
小首を傾げる貴方は、確か12月で36歳になるんだっけ。
貴方は、未だに謎だらけだ。
キャンドルの炎がまた揺れた。
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