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きまぐれ

第2章 僕が手品をがんばる理由




トランプを素早く切って混ぜる。


「にのちゃんの手ぇかわいい~」


「またそんなこと言って…」



貴方のがかわいいわ。あほ。



「簡単なのね。もう眠いから。」

 
「うん」


ほんとは失敗するのが怖いから。


がっかりさせたくないから。



トランプの山を机の端の方に置き、さーっと広げる。


それを真ん中から両端に向かってさらい、二つの山を作る。


「やっぱり器用だね」


貴方は頬杖をついて微笑む。


半分はもとから。


もう半分は、貴方の目に俺がより長く映っていられるように、努力した結果。


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