海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第4章 少し寄り道
マリィは持っていた蒼導石を薙刀に変化させた。それを振りかざすだけで、その場にいた海兵だけが飛び、地面に叩きつけられた。
応戦していた聖目族も、拘束されていた聖目族も、呆然とマリィを見つめる。
「動かないで」
マリィは聖目族に歩み寄る。しかし、すぐに新たな海兵がマリィに襲いかかった。
「room」
だが、それからマリィを守るのは俺の役目だ。
「ラジオナイフ」
俺が数人の海兵の胴を切った時、マリィは薙刀の刃で聖目族達を拘束していた縄を断ち切った。
すると聖目族からどよめきが起こる。
「これが神の愛子の力か…!」
「瑠璃色の瞳の…聖目族の姫…!」
「姫様…!瑠璃姫様!」
マリィは、瑠璃姫、瑠璃姫と囃し立てられる。
「瑠璃姫…ね」
すると、先程の海兵達とは違う空気を纏う正義の文字を背負った男が現れる。
その場の全員の視線がそちらに向いた。
「まさか、こんな所にいるとは思わなかった。一際強い力を持つ、神の愛子。」
俺は、後ろにマリィを隠す。
「しかも、死の外科医、トラファルガー・ローまで…」
その将校は少し考えた後、こう言った。
「トラファルガー、その娘をこちらに渡せ。そうすれば、お前や他の聖目族は見逃してやる」
「黙れ」
小石を放る。そして、タイミングを見計らう。
「シャンブルズ」
その将校を切り刻み、背を向けた。
「んなことするか。こいつには指一本触れさせねぇ…失せろ」
しかし、まだ何とか動くことができる海兵はこちらに切りかかってくる。それを再びマリィが地面に叩きつけ、気絶させる。
「メルド」
それが終わるとマリィは、メルド屋に歩み寄る。
「何さ」
メルド屋は、気まずそうに視線をそらす。
「どうしてこんなことになったの?」
「…あんたのせいじゃない」
「え?」
「そんなに思い詰めた顔してさ。どうせ自分のせいだとでも思ってたんでしょ」
メルド屋はため息をつくと、説明を始めた。
「実は、この里から裏切り者が出たんだ」
「うそ…」
「本当だよ。そいつが、海軍側について、世界政府に俺達を売ったんだ」
マリィの表情に衝撃が走る。
「それをあんたが助けてくれた…!瑠璃姫様、ありがとうございます…!!」