• テキストサイズ

海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第4章 少し寄り道


俺がマリィに差し出したのは見た目より重い、両手に乗る程の木箱。

「開けてもいい?」

「ああ」

マリィは箱を開けると出てきた四角い物体が何かわからず、俺の方を見る。

「これは、海楼石でできた箱だ。」

「海楼石…?」

「ああ。海楼石は、能力者は触れることが出来ねぇ。だから、これに大事なモン、入れとけ」

「でも、ローも能力者…」

「お前がそれに触れられればいい。まぁ、能力者避けにしかならねえが…」

するとマリィは、嬉しそうに微笑む。

「ありがとう!」

マリィは、大事そうに両手に箱を抱えた。

「じゃあ、これ入れとこ」

そう言ってポケットから取り出したのは、蒼導石。
カラン、とその箱に入れると、再びこちらに笑顔を向けた。

「もっと可愛いものあげればいいのに…」

「実用性しか考えてない…」

「あと、これもだ」

クルーから小言が聞こえたタイミングで、それを取り出したのは、金色に輝く、小さな鎖の輪。

「蒼導石を」

蒼導石を受け取ると、それに金具を付けて鎖を繋げる。

「後ろ向け」

マリィは不思議そうな表情のまま、こちらに背を向ける。
俺はその細い首に、蒼導石がついた鎖をかける。
マリィはそれに触れ、1つ呟いた。

「ネックレス…?」

そう。マリィの首にかかっているそれは、蒼導石のネックレスだった。

「これもくれるの?」

「ああ」

この鎖と金具は、船に帰る前に街に寄って買ったものだ。
恐らく、マリィもそれに気づいたことだろう。

再び、嬉しそうに「ありがとう」と言った。

「海楼石の箱も…このネックレスも。凄く嬉しいし、大事だけど、一番嬉しいのは、ローがこれをくれたっていう事実だよ」

「俺は、お前がそうやって笑って、喜んでるのが一番嬉しい」

そう言って、マリィの頭を撫でた。

やっぱりこいつは、揺るがない。
志にも、行動にも、言動にさえブレがない。

俺はなかなか、いい女を捕まえた。



今は眠るマリィの頭を撫で、その額に口付けを落とす。

「おやすみ、マリィ」

そして、俺自身もその隣で目を閉じた。




/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp