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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第4章 少し寄り道


ローside

マリィが、パクパクと口を開けたり閉じたりしている。それだけの事なのに、いつまででも見ていられる。

「な、にするの…」

マリィは頬に手を当て、下を向く。

「嫌だったか?」

マリィは俺の言葉に、バッ、と顔を上げる。

「嫌なわけ、ない…けど……こんな聞き方するの、ずるい」

うぅ、と、枕に顔を埋める。耳は、まだ赤い。
俺はそいつの隣に寝転び、頬に触れる。

「お前が可愛いのが悪い」

「なんか、今日のローって素直?」

素直……確かにそうかもな。
お前にしか、言わねぇけど。

マリィは再び微睡み始めたが、ふと口を開いた。

「ねぇ、ロー…」

「なんだ」

「さっき、メルドがね」

「ああ」

「もう、来ないでって言ったの」

「あいつが…?」

確かに頼れないなら頼るなとは言ったが…
まさか、突き放すことを選ぶとは。
本当に、似ているのか似ていないのか分かんねぇな。

「でも…」

「ああ」

限界が来たようで、目を閉じ、寝息が聞こえてくる。
どうせ、こいつはメルド屋に会いに行く。
誰がなんと言おうとも。
マリィの頬を撫でながら、夕飯のことを思い出した。


「わぁ!オムライス!!」

目の前に差し出されたそれを見て、マリィは目を輝かせた。
ケチャップライスをふわふわの卵で包んだ、至って普通のもの。
それでも、これ以上ないというくらい嬉しそうに「いただきます」と手を合わせた。

「んーー!!おいひい!」

頬に手を当て、感激の声を上げる姿を目の端にうつしながら、メルド屋の方を見てみる。

「…!」

咀嚼しながら目を見開き、驚いている様はどことなく愉快だ。
その隣で表情ひとつ変えず、食を進めるばあさんもそれらしい。

「ロー」

マリィに呼ばれ、そちらに目を向ける。

「ありがと!」

満面の笑みを向け、礼を口にするマリィが自分でも信じられないほど愛おしい。

「ああ」

俺もマリィに笑みを返す。

「マリィ」

「なに?」

「おめでとう」

「ありがとう」

その後マリィは「そっか」と。

『私、今日、誕生日なんだ…』

そして、嬉しそうに微笑んだ。
それで思い出す。
まだプレゼントを渡していないことに。

「これ」

「ん?」












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