海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第2章 次の島まで

食べ終わり、再び軽く手を合わせ、食器を手に持ち、立ち上がる。
キッチンの前まで行き、先程のコックさんに食器を手渡す。
「ごちそうさまでした。」
コックさんは私がそう言ってもなにも返してこないまま、呆然と立ち尽くす。それを不思議に思い、問いかけてみる。
「もしかして、自分で洗った方がいい?」
「そこ!?」
後ろからツッコミがとんだ。
よく意味が分からなかったけれど、
「あ、いや、そうじゃなくて」
とコックさんが言ったので、自分で洗わなくてもいいということが分かった。
そこへ
「おい、マリィ。お前に話がある。」
先程と同じように、誰にもまとめられなくなった雰囲気を改めるのは、ローだ。
「なに?ロー。」
私はローに呼ばれて駆け寄った。
すると彼は少し眉根に皺を寄せた。
「…お前に名乗った覚えはねェぞ。」
「ああ、教えてもらったの。」
「そうか。」
ローはクルッと向きを変え、歩き出した。私も、彼の後を追う。
「ここは俺の部屋だ。」
着いたのは、ローの部屋の前。要するに船長室の前だ。
「へぇ…で、話は?」
「ああ、1つはお前がこれから1週間、寝る場所についてだ。」
私は、ああ、それなら、と答える。
「どこでもいいよ。なんなら甲板でも…あ、無理か。」
そういえば、この船は潜水艦で今は海中を進んでいるのだから、
甲板で寝たりしたら、気づいた時には海に浮いてる。…死体で。
それは嫌だなと思い、他の場所を考える。
「んー…別に私床でもいいんだけど…食堂とか?」
「食堂はやめておけ。あいつらも出入りするからな。」
みんなが出入りして、なにか不都合が有るんだろうか…まぁいいや
「え、じゃあみんなが出入りしないって、ローの部屋くらいしか思いつかないんだけど。」
そこで突然、ローが少しだけたじろいだ。
「…いや、もっと他にあるだろ、あいつらが出入りしねぇ場所くらい……ねぇか。」
ローも考えた末、自分の部屋しか思いつかなかったらしい。
「じゃあ」
「えっと」
同時に口を開く。
「あ、どうぞ」
「じゃあ、俺の部屋で我慢しろ」
いや、我慢っていうか…そんな事でもないけど。
そこで私はハタと気がついた。
「今更だけど、私、随分図々しいね。」
さっきまで、お腹空いててそれしか考えてなかったけど、よく考えれば異常なほどに図々しいな、私…
「…確かにそうかもな。」
デスヨネー
「…すみません」
