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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第4章 少し寄り道


「だから、俺の事も頼ってよ」

気づけば、そんな言葉が口から零れていた。
一気に顔が熱くなるのを感じる。

なんでこんなことを…?俺は、頼って欲しいのか……?

「ふふっ、ありがと。本当に、メルドについては意外なとこばっかり見える。」

「意外ってなんなの…」

俺の言葉を聞いたマリィは、柔らかく笑う。
この笑顔を見ていられるなら、何もいらない。

時が、止まってしまえばいいのに。

それが願わないことだと分かっているのに、願ってしまう。
これは…

「マリィ、いるか?」

俺がその感情を自覚したのと、幸せな時に終止符が打たれたのは同時だった。

「どうしたの?ロー」

「いや…お前は今日の主役だろ。もう、戻れ。」

「え?ローは?」

「俺は、まだ外にいる。」

「メルドは?」

「俺は……」

俺は、マリィの恋人…ローを、一瞥する。

「俺も、残るよ」

「…?そうなの?じゃあ、二人とも、早く戻ってきてね」

不思議そうに俺とローを交互に見てから、扉へ向かう。

「なぜ残った?」

ローが、声をかけてくる。

「あんたが来たのは、話があるからなんでしょ?…俺に。」

「ああ」

そいつは俺の方を見た。
ローと向き合う形になった俺は、そいつを見上げる。
すると今までよりも更に長身に見えて、ちょっとイラッとする。

「あいつは、お前を助けたがってる」

予想外の言葉に、返答が一泊遅れる。

「…どういうこと?俺、マリィに助けられる覚えなんてないんだけど。」

「さぁな。俺の知ったことじゃねぇよ。」

「は?」

「けどな……お前も、頼って欲しいんなら頼ってやれよ」

「聞いてたの!?」

あの、あの…あの俺の失言を?
はずかしっ!!

「ああ。まぁ、俺は、あいつが思ってそうなことを伝えたまでだ。」

マリィが思ってそうなこと…

「でも、俺はあいつに頼ることはできない。」

迷惑になるから、っていう理由だけじゃない。

「それでも、頼ってほしいと?」

「…ああ」

「それは無理な話だろ」

「は…!?」

「お前は、お前のことを信じてないやつを信じることができるか?」

確かに、それは、無理だ。
俺は、首を横に振る。

「それと同じことだ」


















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