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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第4章 少し寄り道


私は、紅導石を母に託して、母の力で空島へ帰った。

それは、娘がそれを使って蒼導石を作りだしたため、紅導石の力が半減し、私の微弱な力では使うことができなくなったから。

その日、3歳の誕生日を迎えた娘…マリィは、私と同じく神の愛子。

私にはもうその力はない。でも、その力があった時でさえ守りたいものを守ることはできなかった。

恐らく、マリィの神の愛子としての力は私より強い。私は、意図的に紅導石を作り出すことはできなかったし、3歳で力を発揮することもできなかったから。

でも、だからこそ怖かった。

彼女達も失ってしまうかもしれない。
彼女も、守りたいものを、守ることができないかもしれない…と。

そして、蒼導石も、島に置いて行った。
娘には、まだ使いこなせないと判断されたからだった。
また、娘が本当にそれを必要とする時、この島へ導いてくれるようにするためだった。
蒼導石はマリィの一部。
双方は、引かれ合うようになっているから。


マリィside

「それで、それはあんたのものにも関わらず、この島にあったってわけ。それで、今日、知らない船が止まってたから、街に出てみたら、あんた達を見つけたんだ。」

「じゃあ、私はこの島に導かれて来たんだ…」

「うん。それには、意味がある。あんたはこの石を持っていかないといけない。」

「これも、武器になるの…?」

「そ。どんな武器かは、俺も知らないけど。」

母さんは、すぐに分かったみたいだけど、私にもそれができるかどうかはわからない。

「不安か?」

後ろから、ローの声が聞こえる。そして、私の肩に添えられていた手が、私の手を握る。

「…ううん、ローがいるから。」

私も、手を握り返して答える。

「そうか。」

ローは、優しい笑みで、答えてくれる。


ローがいるなら、不安なんてない。
ローがいるなら、頑張れる。
ローがいるなら、どんなことでも耐えられる。


「じゃあ、やってみる?」

「うん」

手の中の青い石に力を込める。
自分の中の全ての魔力を注ぎ込むように。

すると、手の中の感触が変化するのが分かる。
見ると、それは薙刀になっていた。私の身長ほどもある棒の片端には鋭い刃が、もう片端には瑠璃色に光る石があった。

「できた…」

それを持ち上げて、まじまじと見る。

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