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海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】

第4章 少し寄り道


妹を後ろに庇う。

パァァンッッ

銃の音が響く。

私は、少し遠くに見つけた岩を盾にして、攻撃を免れた…はずだった。

「姉ちゃん!!!!」

「あれっ!?」

でも、気づくと、わたしの左肩から血が流れていた。

力を、使えなかった。

私の中から、力が無くなっていた。




多くの犠牲者を出したその戦いから7年。
私の力が無くなり、腕が少し不自由になったいうこと以外は、変わりなく過ごしていた。
それに、日常生活で力を使うことはなかったし、私が作り出した紅導石を使えば、戦うことは出来たから問題なかった。

妹のサラは力を使えるようになっていて、よく私を助けてくれていた。

しかし7年前のあの出来事で、聖目族の半数が犠牲となった。
生き残った聖目族の一部には、戦いの引き金となった私を恨んでいる者もいた。

ある日、私を殺そうとした聖目族が現れた。

「お前のせいで…」

私は紅導石を武器に変形させ、振るった。
それは容赦なく目の前の聖目族の命を奪った。

私達は同じ種族。それなのに…争わなければならない。
私のせいで……

私はいたたまれなくなって、島を出ることにした。紅導石だけを手に。

そして海で出会った旅人と恋に落ち、旅をしているところ、海流によって空島に押し上げられた。

そして、それから4年。

私は3歳と産まれて間もない娘を連れて、再び聖目族の島に戻った。

私がここへ戻ってきたのは、山向こうへと引っ越した、育ててくれた母に孫の顔を見せるためと、妹に会うためだった。ただし、妹とは話すことはできないとわかっていた。
それより数ヶ月前…居場所を知らせておいた母から手紙が送られてきた。

‐サラが殺された‐

と。

妹は、私を恨んでいた者達に殺された。
妹は、私の罪滅ぼしのために死んだ。


私は妹の墓前で泣いた。
泣きながら、悔やんだ。
11年前のあの日も、守れなくて悔しかった。
それなのに、私は同じ過ちを犯してしまった。
何度も何度も妹の名前を呼んだ。
それでも、私を愛し、笑顔を向けてくれたあの子は帰ってこない。

緑と黒の瞳をこちらに向ける、妹の息子に視線を返す。
私のせいで、この子の親は、もういない。
きっとこの子も疎まれて生きていくことだろう。

この子の行く末を思うと、また涙が頬を伝った。



もう、何も、失いたくない………








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