海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第4章 少し寄り道
そして、俺はそのための買い物のため、街に来ていた。
…もう昼か。
プレゼントも買ったし…そろそろ船に戻らねぇと。
マリィside
シャチによるとローは、出かけているらしいから、船の隣の岩場に立って彼を待っていた。
「ロー、何してんだろ」
大きな岩に仁王立ちして、島を眺める。
「遅い…もう、探しに行こう」
そんなことを呟きながら、岩を飛び移って岸に近づいていく。すると、
「おい、何してんだ?」
今まさに待っていた人物の声がした。
岸につくと、ローと向かい合った。
「おかえり。どこ行ってたの?」
「ちょっと買い物にな。お前こそ何してたんだ?」
「ローを待ってたの」
「あそこで待つ必要性は?」
ローは私が立っていた、一番大きな岩を指す。
「良く見えるかなーと思って」
「見えねぇだろ」
ローは振り返って、鬱蒼と生い茂る木々を見る。
「まぁ、そうなんだけどね」
「それよりマリィ。少し街に行かねぇか?」
「え?いいの?うん、行く。」
「じゃ、行くぞ」
そう言って、ローは私に手を差し出した。私は、その手を強く握って、歩き出した。
「…痛てぇ」
「あ、ごめん」
そっと手を握り直した。
ローside
街に着くと、マリィは目を輝かせた。
「こんなにたくさんの人…初めて見た。」
街には昼だからか、朝よりも多くの人が行き交っていて、先程より賑わっていた。
「あの子の目、すっごく綺麗…」
その言葉が耳に届き、緊張の糸が張る。
同時に、こちらに向けられる視線にも気付く。
忘れていた。マリィは目立つ。
それに俺も海賊だ。海軍に見つかるわけにはいかねぇ。
「マリィ」
「ん?」
「これ被っとけ」
俺の帽子をマリィの頭に被せる。
これで、少しは隠れる。
「え?」
帽子はマリィには大きいようで、彼女の頭の上で傾いている。
マリィは帽子を被り直すと、こちらを見上げる。
事情は察したようで、何も問うてこなかった。
「ねぇ、もうお昼ご飯食べた?」
「いや」
「じゃあ、何か食べよ」
「ああ」
その時、俺達に向けられる視線の中で、特にマリィに向けられる視線をひとつ見つけた。俺達は、その視線から逃げるように、俺は マリィを連れてその場から立ち去った。