海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第4章 少し寄り道
「そう?」
あの頃もすごく楽しかったのは事実だし、今思い出して話すのも、なんだか心が弾んだ。でも、今もすごく幸せ。前みたいに静かで平凡な幸せとは違う。でも、確かな幸せ。家族と過ごしていた頃。まだまだだとは思うけど、あの頃は、知らなかったことをたくさん知って、たくさん笑ってる。
「そういえば、マリィさんって誕生日いつなんすか?」
「誕生日?」
「オムライス食べてたって言ってたんで…」
「誕生日かぁ………あれ、忘れた…」
「え?」
「なんでだろ?思い出せない…」
「いや、俺らに聞かれても…」
「じゃあさ、マリィの誕生日、今日にしよう!」
「えっ!?」
「いいよね、キャプテン?」
ベポが、私の正面…ベポの隣に座るローに話を振る。
なぜそこでローに許可をとるのか。
そして、ローからは予想外の答えが聞こえてくる。
「いや、明日にしろ」
「「「え?」」」
ベポ、ペンギン、私の声が重なる。
「なんで?」
「今日だったら、もう終わっちまうだろ。それに、祝えねぇ」
「キャプテン…」
「ロー…」
「船長…」
「…なんだ?」
私達3人は、キラキラした瞳でローを見つめた。それに対し、ローは横にずれて逃れようとするが、隣にはベポ、後ろにはペンギン、正面には私がいて、視線から逃れることはできない。
「なんなんだ」
「キャプテン…素敵。」
「ロー…大好き。」
「船長…一生ついていきます。」
「…だからなんなんだよ」
この時間で、私達3人のローに対する敬愛と尊敬が一層深まった。
「明日は朝には、島に上陸する。」
「はい!」
私とローは、部屋に戻ると寝る支度をして、私はソファへローはベットへと横たわった。
「ふぅ」
食事、楽しかった〜
「いや、おい、ちょっと待て」
「なに?」
いつも通りに寝ようとしただけなんだけど…
「お前、まだそこで寝る気か?」
ローはそう言って私が寝転がっているソファを指さした。
「ダメなの?」
「いいけど、だ。…こっちに来い」
「…うん」
私はソファから立ち上がり、ベットへ移動した。
ベットに腰掛けると、ローの方を見た。
「…」
「……」
見つめ合う時間が続く。
なにこの沈黙。
まさかこれってここで寝ろということでは…
「私今日、どこで寝るの…?」
一応聞いてみる。
「ここに決まってんだろ」
言って、ローは下を指さす。つまり、ベットだ。
