海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第4章 少し寄り道
マリィside
は?って…この人は。
無自覚なのか、わざとなのか、本当に分からない。ていうか、大抵いつもわざとなのに、今回は違うってどういうこと?
「ああ、いいよ、大丈夫。体調は全然大丈夫だから。」
私はとりあえず、ローから距離をとった。
「陽が沈んだからさ、もう船の中入ろ」
「ああ」
ローは何やら腑に落ちないようだけど、私は気にせず船の中への扉を開いた。
食堂
「あっ、マリィ!動けるようになったんだ!」
夕食を食べるため、食堂に入った途端にベポが走ってくる。
「うん。心配かけてごめんなさい」
「治ったならよかったよ。で、なんで?」
「あれ?ローから聞いてない?」
「いや、船長は面倒くさがって」
「そうなんだ…」
「俺達が思ってるようなことじゃないなら、なんなんすか?」
シャチが話に入ってくる。
「なんで最近敬語なの…」
「そりゃあ、船長の彼女だからでしょ」
「で、結局、なんで?」
「ああ、私、昨日正座したまま寝ちゃって、その上、前に突っ伏してたから、脚が痺れて、腰が痛くなったの」
改めて口にしてみると、しょうもなさすぎてもはや笑えてくる。
シャチとべポも、呆然としている。
そりゃ、そうなるよね。
「さてご飯、ご飯っ」
「あ、そっすね」
私はベポとシャチの背を押して、食事へ向かった。
「マリィは、好きな食べ物とかあるの?」
「へ?なんへ?」
ベポに質問され、食べながら聞きかえす。
「だって、何でも美味しそうに食べるから。」
「んー」
食べ物を飲み込んで、答える。
「まぁ、食べ物なら大抵好きだけど…強いて言うなら、オムライス?」
「え?なんでオムライス?」
以外な答えだったのか、ベポは首を傾げた。
「なんで、かな…」
自分でもよく分からない。
「でも、なんか、気づいたら食べてたなぁ」
家族との生活を思い出しながら、話す。
「あ、そうだ、妹が料理よく作ってて。その中でも、オムライスが一番美味しかったんだ」
「妹いたんすか?」
ペンギンがベポの後ろから顔を覗かせる。
「うん、エルルっていうんだけど、私がオムライス食べて、これ美味しいって言ったら、たくさん作ってくれたの。誕生日もいつもそれだった気がする。」
なんだか嬉しくなって、ベポに思い出を話す。
「マリィ、嬉しそうだね。」
「え?」
「なんか笑顔だし、嬉しそう」
