海賊の医者は美しい瞳の少女に魅了される【ワンピース】
第4章 少し寄り道
「え?なんで」
「なんとなくだ」
「さすがロー………別に隠してた訳じゃないんだよ?」
「わかってる」
「ただ、これからずっと一緒にいるのにこれはさすがに隠しとけないなって思って。」
「なんだそれ」
やっぱり、ローは私が知ってる通り、こんな事で人を判断するような人じゃない。そう思うと、やっぱり嬉しくて、笑みがこぼれる。
「ふふっ」
「何が可笑しい?」
「可笑しいんじゃなくて、嬉しいの」
「お前といると、本当に麦わら屋といる気分だ」
ローは、心底意味が分からないといった様子で、ため息をついた。
「マリィ。そういえばお前、前に自分が聖目族だと話した後も、笑ってたな」
「だから、あの時も嬉しかったんだって」
「だから、何が…」
「言わない」
「は?」
こんなこと、いちいち言うのも気恥ずかしい。それに、少しの悪戯心。そしてなにより、不安だった、なんて言えないから。これ以上、弱いところばかり見せられない。でも、もっと強くなれば、きっと、言える気がする。
だから…
「これからは、隠し事はしない。だから、これは見逃して?…いつか、必ず言うよ」
隠してたことがこんな小さなことだと知ったらあなたは怒るかな。ロー。
「…ああ、わかった。その代わり、これからは何も隠すな」
「うん、いいよ」
少しの沈黙の後、私が先に口を開いた。
「ありがとう。ロー」
「…ああ」
何に、ありがとう。なんて、はっきりとは言えないけど、とにかく、私がローに出会って、してくれたこと、全て。私にとっては感謝の対象だ。
私達は、そのまま眠りに落ちたので、私はローの身体に突っ伏して眠ることとなった。
そして翌日
私は膝にローの頭を乗せて正座したまま眠ったため、脚が痺れた。その上、そのまま前に身体を倒して寝ていたので、腰まで痛くなってしまい、この日はほぼ動けなかった。だからご飯も、ローの部屋のベットで、悶え苦しみながら起き上がり、食べた。完全に、要介護だ。
「お前は、どこの老人だ」
ローにも文句を言われた。
マリィが悶え苦しんでいる頃、食堂では。
「あれ?今日、マリィさんは?」
「ああ、足腰立たなくなっちまって…」
「「「………え?」」」
「…キャプテン。最初は優しくしてあげないと…」
「いくら溜まってたからってやりすぎですよ」
「ものには限度ってものが…」
「…おい、何の話だ?」
